コラーゲンによる栄養素以外の働き
栄養学的には良質なタンパク質ではない
前項でも軽く触れた事ですが、コラーゲンは栄養学的には優れたタンパク質であるとは言えません。
人間が体内で合成できず、体外から取り入れる必要のある必須アミノ酸が9種類あり、体内で合成可能な11種類を非必須アミノ酸と分類し、人体は20種類のアミノ酸であると言われています。
一般的に良質なタンパク質というものは必須アミノ酸が全て含まれているものを指します。
しかし、コラーゲンにはトリプトファンと呼ばれるアミノ酸が欠けているのです。
また、必須アミノ酸のバランスにも偏りがあり、グリシン、プロリン、アラニン、ヒドロキシプリンの4つで全体の3分の2を占めるなど大きく偏っているのが特徴です。
他のアミノ酸の割合が非常に少ない事から栄養学的に見た場合には、コラーゲンは優れているとは言えないのです。
栄養素以外での活躍に注目
コラーゲンは栄養成分としては価値が非常に低い事を踏まえたうえで、なぜ、コラーゲンが体に良い効果をもたらすのかという疑問が増すかと思います。
近年の研究によって、コラーゲンは体に入ってからホルモンやビタミンの様な働きを発揮するのではないのかと分かってきたのです。
体内に取り込まれたコラーゲンは、タンパク質の栄養素という側面からではなく、体を作り出す働きかけを行う効果があると分かってきたのです。
ヒドロキシプロリンが注目される
ヒドロキシプロリンとはプロリンからつくられる非必須アミノ酸で、タンパク質をつくる20種類の基本アミノ酸の中にも入っておらず、コラーゲンやコラーゲンに似た構造の限られたタンパク質にしか含まれていない特殊なアミノ酸です。
コラーゲンペプチドを食べた後の血液中のアミノ酸は単体であるアミノ酸が7〜8割で、ジペプチドやトリペプチドとして存在するものが2〜3割になります。
このジペプチド、トリペプチドはヒドロキシプロリンが含まれてあるペプチドであり、コラーゲン特有のアミノ酸であるヒドロキシプロリンが注目されるようになったのです。
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