食べるナビ:受験生向けの夜食を教えて。 - 毎日jp(毎日新聞)
◆受験生向けの夜食を教えて。
◇温かメニューで脳活性化
◇炭水化物中心に/ビタミンB1やDHA合わせ
受験生にとって、最後の追い込みシーズン。親は見守るしかないが、試験本番まで健康を維持できる食事を用意し、応援したい。深夜まで机に向かう子どものために、夜食づくりのポイントを料理研究家の検見崎聡美さんに聞いた。
受験生の食事でまず大切なのは、栄養のバランスをとること。記憶力や集中力を高め、勉強の効率をアップさせるには、脳を十分に働かせる栄養素をとりたい。さらに、消化や寒さを考慮することも大切。検見崎さんは「胃腸に負担がかからず、少量でエネルギーがとれ、体が温まり、リラックスできるようなものを」と話す。
メニュー選びでは、うどん、ご飯など、体や脳のエネルギーになるブドウ糖が含まれている炭水化物を中心に考える。これに脳、神経の働きを良くするたんぱく質、ビタミン、ミネラルを組み合わせていく。消化のよい豆腐や卵、緑黄色野菜を活用したい。
検見崎さんが今回紹介する3品は、いずれも気持ちを落ち着かせ、集中力を高めてくれる。
「ブロッコリーとツナのミルクリゾット」は、簡単に作れる洋風雑炊。ご飯を玄米にするだけでビタミンB群、食物繊維がとれる。牛乳のカルシウムでストレスを軽減し、ツナのDHA(ドコサヘキサエン酸)で脳の機能を高める。味付けは、みそを加えこっくりさせたり、牛乳のかわりにトマトジュースでイタリアン風にしたりしても。
「トマトと卵の煮込みうどん」は豚肉、白菜、ネギがたっぷり入り、ビタミンB1がとれて、見た目も鮮やかだ。ビタミンB群が不足すると倦怠(けんたい)感、疲労感、眠気、うつやストレスといったメンタル面に悪影響を及ぼすといわれる。「ストレスが多くなるとビタミンB1の消費が激しくなる。受験生に大切な栄養素の一つ」と検見崎さんはアドバイスする。
「シシャモとのりのチーズトースト」は、トーストの上にシシャモが丸ごと2匹のっている驚きの一品。子どもの眠気も吹き飛びそうだ。トマトケチャップとシシャモの香ばしさ、のりの香りが不思議に合う。シシャモの代わりにジャコやツナでもいい。
夜食は、汁物を多用すると便利だ。具だくさんのスープに春雨、卵を1個加えるだけでも満腹感が得られる。コーンクリーム缶に牛乳を足し、塩、コショウで味を調えるだけでも体にやさしいスープが作れる。
「スナック菓子や甘いものを食べるよりは、体も心も温まるスープはお薦め。応援の思いを込めてください」【小川節子、写真・小林努】
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★トマトと卵の煮込みうどん(1人前444キロカロリー)
《主な材料》(1人分)
▽ゆでうどん 1玉
▽豚ひき肉 50グラム
▽ゴマ油 小さじ1
▽トマト 小1個
▽白菜 1枚
▽長ネギ 10センチ
▽A(湯300CC、固形チキンブイヨン1個)
▽卵 1個
《作り方》
<1>トマト、白菜は一口大に、長ネギは斜め薄切りにする。
<2>鍋にゴマ油をひき、豚ひき肉を入れ混ぜてから中火で炒める。肉に火が通ったら(1)を加え炒め、しんなりしたらAを加え、煮立ったらうどんを入れ5~6分煮込む。
<3>塩、コショウで味を調え、卵を溶いて流し入れる。
★ブロッコリーとツナのミルクリゾット(1人前337キロカロリー)
《主な材料》(1人分)
▽玄米ご飯 軽く1杯分
▽タマネギ 1/8個
▽ブロッコリー 50グラム
▽ツナ(ノンオイル) 1/2缶
▽オリーブオイル 大さじ1/2
▽牛乳 カップ1/2
▽塩、コショウ 各少々
《作り方》
<1>タマネギはみじん切り、ブロッコリーは小房に分ける。
<2>フライパンにオリーブオイルを中火で熱し、(1)を炒める。油がなじんだら汁気を切ったツナ、ご飯を加え軽く炒める。強火にし牛乳を4回に分けて加え、その都度よく混ぜてご飯に吸わせる。
<3>牛乳をすべて入れたら塩、コショウで味を調える。
★シシャモとのりのチーズトースト(1人前292キロカロリー)
《主な材料》(1人分)
▽シシャモ 2匹
▽焼きのり 1/4枚
▽食パン(6枚切り) 1枚
▽ピザチーズ 20グラム
▽トマトケチャップ 大さじ1
《作り方》
<1>オーブントースターで食パンとアルミホイルにのせたシシャモを一緒に3~4分焼く。
<2>食パンがこんがりしたらケチャップを塗り、シシャモをのせる。のりをちぎって散らし、チーズをのせ3~4分焼く。
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■人物略歴
◇けんみざき・さとみ
料理研究家、管理栄養士。赤堀栄養専門学校を卒業後、料理研究家の故・滝沢真理氏に10年間師事し、独立。テレビ、雑誌などで活躍する。健康に配慮した病気の人向けの食事や、ヘルシーなレシピに定評がある。「粗食のすすめ」シリーズなど著書多数。
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