2012年1月17日火曜日

食べるナビ:受験生向けの夜食を教えて。 - 毎日jp(毎日新聞)

 ◆受験生向けの夜食を教えて。

 ◇温かメニューで脳活性化

 ◇炭水化物中心に/ビタミンB1やDHA合わせ

 受験生にとって、最後の追い込みシーズン。親は見守るしかないが、試験本番まで健康を維持できる食事を用意し、応援したい。深夜まで机に向かう子どものために、夜食づくりのポイントを料理研究家の検見崎聡美さんに聞いた。

 受験生の食事でまず大切なのは、栄養のバランスをとること。記憶力や集中力を高め、勉強の効率をアップさせるには、脳を十分に働かせる栄養素をとりたい。さらに、消化や寒さを考慮することも大切。検見崎さんは「胃腸に負担がかからず、少量でエネルギーがとれ、体が温まり、リラックスできるようなものを」と話す。

 メニュー選びでは、うどん、ご飯など、体や脳のエネルギーになるブドウ糖が含まれている炭水化物を中心に考える。これに脳、神経の働きを良くするたんぱく質、ビタミン、ミネラルを組み合わせていく。消化のよい豆腐や卵、緑黄色野菜を活用したい。

 検見崎さんが今回紹介する3品は、いずれも気持ちを落ち着かせ、集中力を高めてくれる。

 「ブロッコリーとツナのミルクリゾット」は、簡単に作れる洋風雑炊。ご飯を玄米にするだけでビタミンB群、食物繊維がとれる。牛乳のカルシウムでストレスを軽減し、ツナのDHA(ドコサヘキサエン酸)で脳の機能を高める。味付けは、みそを加えこっくりさせたり、牛乳のかわりにトマトジュースでイタリアン風にしたりしても。

 「トマトと卵の煮込みうどん」は豚肉、白菜、ネギがたっぷり入り、ビタミンB1がとれて、見た目も鮮やかだ。ビタミンB群が不足すると倦怠(けんたい)感、疲労感、眠気、うつやストレスといったメンタル面に悪影響を及ぼすといわれる。「ストレスが多くなるとビタミンB1の消費が激しくなる。受験生に大切な栄養素の一つ」と検見崎さんはアドバイスする。

 「シシャモとのりのチーズトースト」は、トーストの上にシシャモが丸ごと2匹のっている驚きの一品。子どもの眠気も吹き飛びそうだ。トマトケチャップとシシャモの香ばしさ、のりの香りが不思議に合う。シシャモの代わりにジャコやツナでもいい。

 夜食は、汁物を多用すると便利だ。具だくさんのスープに春雨、卵を1個加えるだけでも満腹感が得られる。コーンクリーム缶に牛乳を足し、塩、コショウで味を調えるだけでも体にやさしいスープが作れる。

 「スナック菓子や甘いものを食べるよりは、体も心も温まるスープはお薦め。応援の思いを込めてください」【小川節子、写真・小林努】

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 ★トマトと卵の煮込みうどん(1人前444キロカロリー)

 《主な材料》(1人分)

▽ゆでうどん 1玉

▽豚ひき肉  50グラム

▽ゴマ油   小さじ1

▽トマト   小1個

▽白菜    1枚

▽長ネギ   10センチ

▽A(湯300CC、固形チキンブイヨン1個)

▽卵     1個

 《作り方》

<1>トマト、白菜は一口大に、長ネギは斜め薄切りにする。

<2>鍋にゴマ油をひき、豚ひき肉を入れ混ぜてから中火で炒める。肉に火が通ったら(1)を加え炒め、しんなりしたらAを加え、煮立ったらうどんを入れ5~6分煮込む。

<3>塩、コショウで味を調え、卵を溶いて流し入れる。

 ★ブロッコリーとツナのミルクリゾット(1人前337キロカロリー)

 《主な材料》(1人分)

▽玄米ご飯      軽く1杯分

▽タマネギ      1/8個

▽ブロッコリー    50グラム

▽ツナ(ノンオイル) 1/2缶

▽オリーブオイル   大さじ1/2

▽牛乳        カップ1/2

▽塩、コショウ    各少々

 《作り方》

<1>タマネギはみじん切り、ブロッコリーは小房に分ける。

<2>フライパンにオリーブオイルを中火で熱し、(1)を炒める。油がなじんだら汁気を切ったツナ、ご飯を加え軽く炒める。強火にし牛乳を4回に分けて加え、その都度よく混ぜてご飯に吸わせる。

<3>牛乳をすべて入れたら塩、コショウで味を調える。

 ★シシャモとのりのチーズトースト(1人前292キロカロリー)

 《主な材料》(1人分)

▽シシャモ      2匹

▽焼きのり      1/4枚

▽食パン(6枚切り) 1枚

▽ピザチーズ     20グラム

▽トマトケチャップ  大さじ1

 《作り方》

<1>オーブントースターで食パンとアルミホイルにのせたシシャモを一緒に3~4分焼く。

<2>食パンがこんがりしたらケチャップを塗り、シシャモをのせる。のりをちぎって散らし、チーズをのせ3~4分焼く。

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 ■人物略歴

 ◇けんみざき・さとみ

 料理研究家、管理栄養士。赤堀栄養専門学校を卒業後、料理研究家の故・滝沢真理氏に10年間師事し、独立。テレビ、雑誌などで活躍する。健康に配慮した病気の人向けの食事や、ヘルシーなレシピに定評がある。「粗食のすすめ」シリーズなど著書多数。

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