2012年1月29日日曜日

サプリメントと軍事と経済を! ビタミン剤と乳ガン治療


海外では乳ガンの治療においては、抗ガン剤や放射線治療の副作用から正常細胞を守るために抗酸化作用のあるビタミンCやビタミンEのサプリメントを服用する場合が多いとのことです。(ただし、その効果はまだ確証されていないようです。)

この論文の著者の疑問点は、「抗酸化物質は正常細胞を守るけれど、ガン細胞も守ってしまうのではないか。サプリメントの服用は生存や再発にどう影響するのか?」というもののようです。


Vitamin Supplement Use During Breast Cancer Treatment and Survival: A Prospective Cohort Study
Cancer Epidemiol Biomarkers Prev; 20(2); 262–71

ビタミン剤と乳ガン治療 その前向きコホート研究

論文概要

上海で「乳房の進行癌」と診断された20-75才の4877人について前向きコホート研究を行いました(診断後6ヶ月にインタビューを行い、以後患者本人とのインタビューによるフォローを行った)

平均フォロー期間4.1年間の調査の結果、抗酸化物質服薬群(ビタミンC、E、マルチビタミン)投与群は死亡リスク18%減、再発リスクは22%減となりました。この逆相関関係は、サプリ摂取が化学治療開始と同時か同時でないかに関わらず見られました。ただし、これは放射線治療を受けてない場合にのみにみられる関係です。

結論:乳ガン診断後6ヶ月以内に摂取されるビタミンサプリメントは死亡・再発リスク減少に関係する。
よって、この結果は「乳ガンの患者はビタミン剤摂取を避けるべき」という近年の勧告を支持する結果にはならなかった、とのことです。

サプリメントは、このように「効く」とされたり「効かない」とされたり「逆効果」とされたり、調査の度にいろいろな結論が出ます。真実はどうなんでしょうか。「効かない」ならまだしも、「逆効果」は怖いですし・・・。

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